「FXを始めたいけど、大損したって話も聞くし怖いな・・・」
「FXって○倍で掛けることが出来るって聞いたけど、どういう仕組みなんだろう?」
こんな印象を抱いている方もいるのではないでしょうか?
この、「大損」とか「何倍」とか、
これらには「レバレッジ」という仕組みが関係しています。
ですので今回は…
「初心者でもわかる、レバレッジについて」
仕組みができ上がった生い立ちから、徹底解説していきます!
あなたの利益や損失を左右する、かなり大切な仕組みですので、
しっかり理解してからFXに臨みましょうね!
目次
レバレッジとは?
「レバレッジ」とは、
そもそもの意味は「レバー」、日本語でいう「てこ」から派生した言葉で、「レバレッジ」は「てこの原理」と訳されます。
「てこ」は皆さんも日常で活用するハサミや、栓抜きなどの力の仕組みですね。
「てこ」の基本的な意味は、弱い力で重いものを動かしたり、小さな力を大きな力に変える物理のことです。
金融では、この物理法則を疑似的に置きかえて活用しており、これを「レバレッジ」と言います。
これがレバレッジの生い立ちなんですね!
FXでは、このレバレッジという仕組みを有効活用することが重要です。
FXにおけるレバレッジとは、「少額で何倍もの大きな取り引きを行うこと」を指します。
レバレッジの単位は「倍」ですので、
「レバレッジ3倍での取引」
「レバレッジ10倍での取引」という言い方をします。
また、最大レバレッジは国内FX会社と海外FX会社で異なります。
・国内FX会社:最大25倍
・海外FX会社:無制限(会社によって倍率制限あり)
「25倍?無制限?」文字だけではわかりずらいと思うので、例で説明します。
(例1)国内FX会社での取引の場合
手持ちの金額が100万円の場合、100万円〜最大2500万円分の取引が可能になります。
また、逆に100万円分の売買を行いたいときは、
100÷25=4、つまり4万円さえあれば取引をスタートすることが出来ます。
(例2)海外FX会社での取引の場合
手持ちの金額が100万円の場合、海外FX会社はレバレッジが無制限ですので、
25倍の2500万円、100倍の1億円、1000倍の10億円、それ以上の取引が可能です。
(海外FX会社によって最大レバレッジは異なる)
じゃあ1円から始められるの?というと、そういうわけでもありません。
大概の海外FX会社は最低入金額、更に入金に係る手数料が発生しますので、一番安価では1000円あたりからスタートすることは可能です。
いかがでしょうか?
レバレッジの仕組みとしては、資金の何十倍の取引が可能ということだけで、非常に単純です。
ここで、おそらく次に疑問を抱くのは
「じゃあ利益が出た時、損が生まれた時はどうなるの?それも倍になるの?」ということですね。
次の章でこちらの説明をしていきます。
レバレッジを使うと、損益はどうなるの?倍になるの?
レバレッジを使うと何倍もの取引が可能になる、と説明しました。
ではこれを活用した時の損益の具体例を紹介します。
(例3)利益が発生する場合
1月1日 為替レート:1ドル=100円
元金100万円をレバレッジ10倍の1000万円=10万ドルの「買い」を行う。
↓
2月1日 為替レート:1ドル=110円
10万ドル=1100万円の「売り」を行う
利益:1100万円 − 1000万円=100万円
元本100万円 + 利益100万円=合計残高200万円
利益が発生した場合はこのような流れになります。
元本自体は増えませんが、利益が10倍になりましたね。
この例の要点をまとめると、「レバレッジは元本ではなく、利益に対して掛かる」ということです。
利益に対してのレバレッジは比較的理解しやすいと思います。
問題は損失についてです。こちらも例を見てみましょう。
(例4)損失が発生する場合(元本以内の損失)
1月1日 為替レート:1ドル=100円
元金100万円をレバレッジ10倍の1000万円=10万ドルの「買い」を行う
↓
2月1日 為替レート:1ドル=95円
10万ドル=950万円の「売り」を行う
損失:950万円 − 1000万円=マイナス50万円
元本100万円 − 損失50万円=合計残高50万円
いかかでしょう。
100万円をレバレッジを10倍で取引した場合、1ドル当たり5円下がっただけで-50万円の損失が発生します。
つまり、元本が50万円減ります。
100万円を1倍で取引していた場合の損失は5万円で済んだのに、レバレッジ10倍にするだけで、損失が10倍になりました。
これが「レバレッジ」の怖さです。
では次のパターン、「強制ロスカット」の例を挙げます。
(例5)損失が発生する場合(元本以上の損失)
1月1日 為替レート:1ドル=100円
元金100万円をレバレッジ10倍の1000万円=10万ドルの「買い」を行う
↓
2月1日 為替レート:1ドル=90円
10万ドル=900万円の「売り」を行う
損失:900万円 − 1000万円=マイナス100万円
元本100万円 − 損失100万円=合計残高0円
今回1ドル当たり10円下落したことで、100万円の損失が発生しました。
この場合、「強制ロスカット」という制度が作動します。
この制度はお客様の元本を超えてマイナスにならないようにするためのシステムで、元本と同額の損失が発生した時に自動的に売りが行われることです。
この制度のおかげで元本以上の損失を負って、借金をする事はありません。
ただし、為替は常に動くとともに、急激に動くことがあります。
その場合はどうなるでしょうか?
「元本割れ」の例を紹介します。
(例6)損失が発生する場合(元本以上の損失)
1月1日 為替レート:1ドル=100円
元金100万円をレバレッジ10倍の1000万円=10万ドルの「買い」を行う
↓
2月1日 為替レート:1ドル=88円へ急落
10万ドル=880万円の「売り」を行う
損失:880万円 − 1000万円=マイナス120万円
元本100万円 − 損失120万円=合計残高マイナス20万円
2月1日に為替が急激に変化したことで、自動ロスカットが間に合わずに1ドル当たり88円まで下がってしまいました。
高いレバレッジで取引を行っているときによく起こる現象です。
この場合、元本以上の損失が発生してしまったために「追証」を払う必要があります。
「追証」とは、追加保証金の略称で、通常は証拠金が証拠金維持率を割り込んだ時に追加で入金しなければならないお金のことですが、今回は元本を割れた分の追加資金を指します。
かつて、2015年1月にスイスの通貨である「フラン」がわずか数分で約30%急落したという出来事がありました。
この時、急激な変動に対するロスカットが行われた場合でも、約定するまでにはロスカット価格のはるか下まで下がったことにより、そのために莫大な追証を払うことになりました。このようなこともまれに起こりますので、FXでのレバレッジの扱いには注意が必要です。
レバレッジを使用する際に気を付けること
レバレッジを活用することは、利益を簡単に倍増させることが出来る代わりに、損失も倍増します。
このレバレッジを有効活用していくには、以下の3つが重要です。
高すぎるレバレッジを設定しない
高すぎるレバレッジを設定することは、為替の急落に対しての脆弱性を示します。
一度の下落で資金の大半を失ってしまっては元も子もありません。
FXを長く続けるためにも、自身の資金量、耐久性に合ったレバレッジでの取引を心がけましょう。
為替変動が激しい相場では取引を行わない
為替は常に変動しており、中でも金融政策が発表されたとき、大統領選などは為替が荒れる可能性があります。
急激な変化に乗ることで、一度に大きな利益を生むことが出来るのも事実ですが、大半は急変に対応することが出来ず、損失を被ります。
「売るべし 買うべし 休むべし」という格言があるように、適切なタイミングでの売買、もし少しでも危ないと感じる相場なら休むことも重要なのです。
FX初心者は「買うタイミングを探さないと!」と思って、無理な相場でも売買を行ってしまい、損失を被ることが多いです。
「何も取引を行わずに休む」ことも手段の一つということを念頭に置きながらの取引を心掛けましょう。
テクニカル分析だけではなく、ファンダメンタルズ分析も積極的に行う
売買の判断材料として使われるのが、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」です。
簡単に言うと、「テクニカル分析」は為替の動きを表したチャートを基に投資判断を行うことで、
「ファンダメンタルズ分析」は金融政策や各種経済指標など、為替に影響を与える情報を基に投資判断を行うことです。
(詳しくは次回の記事で紹介します。)
FXで利益を獲得するためにはどちらか一方では不十分なのです。
チャートの流れと社会情勢をしっかり理解することで、根拠のあるトレードが出来るようになるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
レバレッジは利益を倍増させるとともに、損失も倍増させるとてもリスクの高い仕組みです。
ですがしっかり仕組みを理解し、活用することで株式や債券への投資では得ることが出来ないような莫大な利益を獲得することも出来ます。
皆さんはしっかり自身のリスクへの耐性を考えて、レバレッジを有効活用しましょう。
次の記事では、今回の記事に出てきた「証拠金維持率」について解説したいと思いますので、必ずチェックしてくださいね!